第471回例会
Rotary E-club of HYOGO
2024年9月9日開会
8月は会員増強・新クラブ結成推進月間です
はじめの点鐘
ロータリーソング
SAA: 今週のロータリーソングは、「奉仕の理想」です。元気よく歌いましょう。
-
♪ 奉仕の理想Open or Close
奉仕の理想に集いし友よ 御国に捧げん我等の生業
望むは世界の久遠の平和 めぐる歯車いや輝きて
永久に栄えよ 我等のロータリー
会長の時間
皆さんこんにちは!今月はロータリーの「基本的教育と識字率向上月間」です。日本では一般に国民の(公用語としての日本語)識字率は高いと言われており、日頃識字の問題についてそれほど意識をすることは多くないと思います。私自身もかつてはそうでしたが、以前インターアクトのプロジェクトの一環でタイのアカ族の支援活動に携わった経験があり、その際にこの問題の大切さを改めて痛感したことがあります。
アカ族は現在タイ、ラオス、ミャンマー、中国雲南省にかけて住む山岳民族です。元々は、中国でハニ族と呼ばれ、自給的な農耕生活を営んでいましたが、焼畑農業を繰り返しながら周辺国へ移住していきました。日本とは味噌や歌垣などの文化的類似点もあり、一説には弥生時代頃に日本列島にも渡り、日本人のルーツの一つとなったという説もあります。タイへは20世紀初め頃から雲南省より南下し、現在北部の山岳地帯に住んでいます。
タイのアカ族は、高齢者を中心にアカ語を話せてもタイ語を話せない人が多くいます。また、アカ語は文字を持たない言語でもあります。彼らは、アカ族としてのアイデンティティは強く持っているものの、タイ国民であるという意識は希薄であるそうです。そのためタイ文字(シャム文字)の識字率は低く、子供が生まれても政府に届を出せずに、結果として公的な支援を受けられない無国籍の子供も多数います。また、伝統的な自給的農業生活のため現金収入が乏しく、貧しい生活を強いられているケースもみられ、中には多額の報酬に目がくらみ男性は麻薬の運び屋や女性は人身売買の犠牲になるケースもあるそうです。ここには、基礎的教育が行き届かないために、典型的な貧困の再生産が繰り返されている例がみてとれます。
元当地区のロータリアンで、タイのチェンライロータリークラブの会長もされた原田義之氏は、このような悲劇から少数民族の子供達を守り、就学支援をするための「こども寮」の運営を支援されています。山岳部の村からは小学校に通えないため、多数の子供が親元を離れて共同生活をしています。そして、一生懸命に勉学に励み、今では大学に進学したり、中には日本への留学も実現した元寮生も誕生するまでになっています。
日本では、近年学校現場で日本語の読み書きが苦手な外国籍の子供の急増や、ディスレクシア(Dyslexia)等の問題はもちろんあるものの、義務教育の普及により世界的に見ても高い国民の識字率を維持しています。しかし私は、インターアクトでアカ族の支援活動に関わってからは、我々の当たり前が、他国では当たり前ではなく、基礎的教育がいかに大事かを再確認させられました。
今月のロータリー月間テーマにもなっているように「基本的教育と識字率向上」は我々が取り組むべき重点項目になっておりますし、SDGsの中にある目標4「質の高い教育をみんなに(quality education)」も同様に、すべての人々に教育がいきわたることが世界の発展のために不可欠であると捉えています。
今後も、教育者としてもロータリアンとしても、微力ながらこの分野に貢献できればと考えています。
幹事報告
地区補助金プロジェクト見学訪問のご案内
拝啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素はロータリー活動に格別のご尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたび当地区にて、ロータリー財団「地区補助金」を活用した下記奉仕プロジェクトが実施されます。折角の価値ある事業を広く各クラブ会員の皆様にもご見学賜りたく、下記の通り、ご案内を申し上げます。各クラブに於ける奉仕プロジェクト立案の好機、並びに会員各位にとっての得難い研鑚機会として頂ければ幸甚に存じます。(プロジェクトの内容や当日運営の詳細については、下記実施クラブ照会先宛にお問い合せ下さい。)
当プロジェクトの見学訪問を希望される場合は、お手数ながら、各クラブから直接、実施クラブ事務局(下記登録先)宛に事前登録下さいますようお願い申し上げます。
実施クラブ * | 神戸東ロータリークラブ |
プロジェクト名 * | 小児外科領域におけるベトナム医療交流支援事業 |
プロジェクト概要
(140文字以内) |
近年、医療が進歩したとはいえ、手術を要する心疾患や重症心身障碍児の医療については、外科治療、周術期管理、在宅医療管理の分野に多くの課題を残しています。そこで、本事業では、日本の小児外科医をベトナム国立小児病院に派遣して、日本の先進的取り組みを指導し、更に、ベトナムから小児外科医を受け入れ、両国共通の課題に対し、知識と技術の共有、相互理解の為の研修を行い、両国相互の医療交流を推進します。 |
実施日時 * | ① 2024年10月4日
② 2024年11月9日 |
当日スケジュール* | ① 18時~20時:報告会と懇親会
② 17時~18時:報告会、18時30分~20時30分:送別会 |
実施場所 * | ① HUEレストラン(ハノイ)
② 神戸メリケンパークオリエンタルホテル(神戸) |
参加費 | ① 約18000円/1人(現地での支払いのため)
② 15000円/1人 |
人数制限 | ① 20名
② 120名 |
見学に係る注意事項 | 事務局まで事前登録が必要 |
メークアップの可否 | 否 |
実施クラブ照会先 | 神戸東RC |
事前登録先 | 神戸東RC事務局 |
登録締切日 | ① 9月20日
② 10月20日 |
卓 話
困難な時代でも成長するクラブ
2020年、世界は新型コロナの世界的流行、黒人に対する警察の暴力をめぐる混乱、そしてアメリカを分裂する選挙によって荒れ狂っていました。「強い孤立感があり、社会のためになることをしたいと思いましたが、世間での問題や疾病の流行によって手に負えないような気がしました。しかし、大きいことではなく、小さなレベルから始めれば、少しずつインパクトを積み重ねていくことができると思いました」
フェイスブックで「ボランティアの機会」を検索すると、スプリングボロ・ロータリークラブがヒットしました。
父親がロータリー会員だったこともあり、ガレットさんは早速、フェイスブックでクラブと連絡を取りました。コロナ禍のためビデオ会議で例会が行われていましたが、試しに参加して分かったことがありました。幅広い年齢層のほぼ等しい割合の男女の会員が、地域社会の発展のためにダイナミックに活動していました。
同クラブの会員数は、好ましい状態であったわけではありません。2004年に25名で発足したクラブは、2007年には13名にまで減少しました。当時、デイトン・ロータリークラブの会員であったダグ・ブッチーさんは、スプリングボロ・クラブの復活を支えるため、クラブの移動をお願いされました。2009-10年度、ブッチーさんがスプリングボロ・クラブの会長を務め、会員数は17名にまで回復しました。 その後もクラブは成長を続け、現在、クラブの会員数は40人近くに達しています。
クラブは新しい会員を獲得するために調整を行い、昼食時ではなく朝食時に例会を開くクラブに変更しました。同クラブは郊外に位置しているため、多くの人はデイトンやシンシナティといった都市部に通勤しています。「みんな、ランチ時間に職場からスプリングボロに戻ることができなかったんです」とブッチーさんは説明します。「それが会員減少の原因でした」
また、特に若い会員が懸念していたコストを下げるため、クラブは朝食の代わりにコーヒーで済ませるようにしました。ときどき、誰かがドーナツを持ってくることもあります。「物事をとてもシンプルにしようと心がけています」とエイプリル・ウォーカー前会長は話します。
例会の目玉は、毎月行われる「ロータリアンを知ろう」というプレゼンテーションです。ある会員は父親がピエロだったことを話し、またある会員は、80年代の高校時代の卒業写真(マレットヘアに金の鎖を付けた姿)を披露しました。「1時間一緒に過ごすと、その人のことを知ったつもりになるけれど、そんなことはない」と、2021-22年度の会長就任時にこの「ロータリアンを知ろう」の余興を始めたウォーカーさんは話します。「これで親睦が深まりました」。また、多くの例会で、会員がお互いを知るための質問が出されます。例えば、「セサミストリートの好きなキャラクターとその理由」や、「子どものころに家族の車に付けた名前」などです。
「楽しい、と言ったらありきたりですが、このクラブを要約するのにこれ以上の言葉は思いつきません」と、会員のスコット・マーシャルさんは言います。「普通なら朝7時半に起きて参加したいとは思わないでしょう。でも、クラブのこういうアクティビティは本当に楽しみにしています。とにかく楽しいんです」
クラブの健康チェック
クラブの現状を確認し、課題に対する改善策を見つけるには、ロータリーの「クラブ健康チェック」をご活用ください:
- クラブでの体験:会員の体験が充実していれば、退会の可能性は少なくなります。また、会員の熱意はほかの会員へと伝搬します。
- 奉仕と交流:奉仕や仲間との楽しみは、人びとがクラブに入会し、留まり続ける主な理由です。
- 会員:健康なクラブは、変化を取り入れながら成長していきます。会員の多様な考え方や経験は、革新を促し、地域のニーズを見極める上で欠かせないものです。
- 公共イメージ:地域社会や入会候補者との関係を築く上で、クラブのイメージはとても重要です。
- 業務と運営:元気なクラブづくりにおいては、リーダーの育成、戦略計画の立案、引継ぎ計画が極めて重要となります。
もう一つの変化として、クラブは奉仕活動の機会を増やし、毎年20以上の募金活動やプロジェクトに参加しています。4月の晴れた日、クラブは、非営利団体「Sleep in Heavenly Peace」と協力してベッドを作るプロジェクトを実施しました。近隣のロータリークラブと協力し、木材と寝具類を購入するための資金22,000ドルを集めました。 100人以上のボランティア(クラブ会員とその家族、高校生、その他の地域住民)がシンシナティの会場に集まり、流れ作業で6時間以内に150台のベッドを作りました。「これはイケアの組み立て式ベッドとは違います」とマーシャルさん。「トラックで木材を運び寄せ、自分たちで寸法を測り、切り出し、穴を開け、ロゴの焼き印を押しました」
新会員が早くクラブになじめるよう、どの委員会、プロジェクト、募金活動に参加したいかについてアンケートも取っています。そして、新会員は選んだ活動に従事します。「入会後はすぐに参加させる必要があります」と、第6670地区の2023-24年度ガバナーを担ったブッチーさんは言います。このクラブでは、全クラブ会員を対象に毎年同じアンケートが実施されています。
ウォーカーさんが2019年にクラブに入会したとき、まだ始まったばかりのソーシャルメディアを担当するようお願いされました。彼女はクラブについて世間に知ってもらうため、奉仕プロジェクトの写真を撮ったり、動画をライブ配信したりしました。「人は本来、善良なのだと思います。地域社会で何かをしたいと感じています。ただ、どうすればいいのかわからないのです。だから、その機会を与えるようにしています」と、ウォーカーさんは話します。
クラブの会員数はコロナ禍の最中でも増え続けました。ウォーカーさんがクラブ会長に就任すると、彼女は女性の入会を促進し、リーダーシップを発揮できるよう重点的に取り組みました。
その一人であるガレットさんは、入会して半年も経たないうちにクラブ会計となりました。ロータリーを通じて彼女が与えたものと得られたものを比較してみると、会員であることの価値は明らかになります。「私は社会の二極化が懸念されていたころに入会しました。自分の拠り所となり、人に対してよりオープンな心を持てるような何かを探していたんです。地域社会に恩返しをすることで共通の土台を見つけることができれば、結局のところ、人はそんなに違うものではないのだという希望が湧いてきます。私は、与えたものの何倍もの価値を得ることができました」
ガレットさんのロータリーでの活動は、二人の幼い子どもたちの手本にもなっています。「今では、子どもたちはロータリーをとてもカッコイイ存在だと思っています。一緒に例会に行けるかどうか、いつも聞いてきます。登校前の時間ですし、ドーナツがもらえると期待しているのかもしれません」
本稿は『Rotary』誌2024年9月号に掲載された記事を翻訳したものです。
おわりの点鐘
この例会に共感された方は、「いいね」をお願い致します。