第552回例会
Rotary E-club of HYOGO
2026年9月14日開会
9月は基本的教育と識字率向上月間です
はじめの点鐘
ロータリーソング
SAA: 今週のロータリーソングは、「手に手つないで」です。元気よく歌いましょう。
- ♪ 手に手つないでOpen or Close
一、手に手つないでつくる友の輪
輪に輪つないでつくる友垣
手に手 輪に輪
ひろがれ まわれ 一つの心に
おゝロータリアン おゝロータリアン
ニ、手に手つないでつくる友の輪
輪に輪つないでつくる友垣
手に手 輪に輪
ひろがれ まわれ世界と共に
おゝロータリアン おゝロータリアン
会長の時間
会長の時間 第9回
「四つのテスト」発祥エピソードと日常
― 仕事で、プライベートで、判断に迷ったときの道しるべ ―

皆様、こんにちは。1週間元気にお過ごしでしたか?
さて、ロータリーには、私たちの言行を考える大切な指針として「四つのテスト」があります。
これまでも会長の時間で何度か触れてきましたが、
今回は、その発祥について触れつつ、日常での生かし方をあらためて考えてみます。
四つのテストの発祥
「四つのテスト」は、もともとロータリーのために作られたものではありません。
1932年、世界恐慌のさなか、
シカゴのロータリアン、ハーバート・J・テーラーは、
倒産寸前だったクラブ・アルミニウム社の再建を任されました。
社内や取引先との間に不信感が広がるなか、
テーラーは、誰もが理解でき、毎日の判断に使える四つの問いを考案しました。
言行はこれに照らしてから
- 真実かどうか
- みんなに公平か
- 好意と友情を深めるか
- みんなのためになるかどうか
この言葉を広告、仕入れ、販売、顧客対応など、
あらゆる仕事の判断基準にした結果、
社員の意識が変わり、顧客や取引先からの信頼も回復。会社は再建を果たしたそうです。
商品を売るために都合のよいことだけを伝えない。取引先との約束を守る。
目先の利益より、長く続く信頼を選ぶ。
四つの問いは、社員一人ひとりが迷ったときに立ち戻れる、共通のものさしになりました。
1943年、ロータリーはこれを職業奉仕の指針として正式に採用しました。
テーラー自身は1954-55年度のRI会長を務め、1954年には著作権をロータリーへ譲渡しています。
つまり四つのテストは、理想論ではなく
経営危機の現場で信頼を取り戻した事が発祥の「実践的な判断基準」なのです。
ロータリー専用品ではない
四つのテストはロータリー活動上で唱えて、きれいにしまっておく「ロータリー専用品」ではありません。仕事で難しい判断を迫られたとき、家族と意見が食い違ったとき、腹の立つメールに返信しようとしたとき!?そんな日常で、自分の言葉や行動を見直す道しるべになります。
1.真実かどうか →事実と思い込みを分ける
部下の失敗を聞き、すぐに「どういうことですか」と責める前に、
何が起き、どんな事情があったのかを確かめる。
話を聞けば、本人の失敗より、こちらの説明不足が原因だったという耳の痛い結末もあります。
家庭でも「いつも何もしてくれない」「自分ばかり我慢している」と感じることがあります。
しかし冷静に見れば、「いつも」ではなく今日のこと、「自分ばかり」ではなく今回は少し多いだけかもしれません。
真実を求めるとは、自分の正しさを証明することではなく、
思い込みを脇に置き、相手の話を聞いて事実に近づくことです。
2.みんなに公平か →同じ扱いより納得できる扱いを
前回の会長の時間でDEIについて触れましたが「公平」とは、
全員をまったく同じに扱うこととは限りません。
職場では、新人には丁寧な説明を、経験者には成長につながる裁量を与えるなど、
必要な支援は異なります。
大切なのは、好き嫌いや立場の強弱で決めず、「なぜ扱いが違うのか」を説明できることです。
家庭の家事や介護も、すべてをきっちり半分にすれば公平とは限りません。
時間、体力、得意不得意を話し合い、互いに納得できる分担を考える。
「立場を入れ替えても納得できるか」と問い直すことで、公平に一歩近づけます。
3.好意と友情を深めるか →正しさを伝わる形にする
内容が正しくても、伝え方によっては関係を傷つけます。
仕事のミスを皆の前で追及するのか、個別に事情を聞き、改善策を一緒に考えるのか。
同じ指摘でも、その後に残るものは大きく違います。
家庭でも、「どうしてできないの」と責めるより、
「困っているので力を貸してほしい」と伝えるほうが、相手は受け止めやすくなります。
「何を言うか」だけでなく、「どのように言うか」まで考えることが大切です。
人は正論だけでは動きません。
正論であるほど、言い方によっては心のシャッターが勢いよく下りてしまいます。
好意や友情を深めるとは、相手に都合よく合わせることではなく、
必要なことを率直に伝えながら、相手の尊厳を傷つけないことです。
ここで思い出すのが、臨床心理学における「親密性」です。
これは単に仲がよいことではなく、
「自分らしさを保ちながら、感情や考えを分かち合い、信頼を築ける力」を指します。
違いがあっても関係を保ち、一緒にいることと適度に離れることの両方ができる。
支配や依存ではなく、互いの自律性を認める関係です。
親密性とは「あなたを大切にしながら、私も私でいられる関係」。
近づく力だけでなく、境界線を保ち、必要に応じて距離を調整する力でもあります。
これは「好意と友情を深める」うえでも、大切な視点ではないでしょうか。
4.みんなのためになるかどうか 少し先まで考える
目の前の自分に便利な選択が、将来にもよいとは限りません。
職場の問題を先送りすれば、たいてい少し大きくなり、
忙しい時期を見計らったように戻ってきます!
反対に、若い人へ知識や経験を伝えるのは手間がかかりますが、
将来の仲間と組織の力になります。
家庭でも、自分がすべてを引き受けることが、
必ずしも家族のためになるとは限りません。
話し合って役割を分け、互いに支え合える状態をつくるほうが長続きします。
ここでいう「みんな」には、今いる人だけでなく、
将来の仲間や家族、地域社会も含まれるのでしょう。
四つすべてに満点でなくてもよい
現実には、四つの問いすべてに迷いなく「はい」と答えられないこともあります。
むしろ、全てに迷いなく「はい」と答えられない瞬間のほうが多いかもしれません。
厳しい事実を伝えれば、一時的に関係が揺れることもあるでしょう。
四つのテストは、正解を機械的に出す採点表ではありません。
自分の判断を立ち止まって見直し、より誠実な選択へ近づくための「問い」なのだと思います。
「本当に真実だろうか」「立場の弱い人にも公平だろうか」
「この伝え方で信頼は残るだろうか」「長い目でみんなのためになるだろうか」。
― このひと呼吸が、言い過ぎや思い込みを防ぎ、人間関係を守ってくれます。
特に怒っているときのメールやメッセージは、すぐに送らず、翌朝読み返すのがお勧めです。
夜には完璧な名文だと思ったものが、朝には「送らなくてよかった」に変わることが案外あります。
日常の小さな場面から
メールの送信前、うわさ話をする前、
家族に強い言葉を向けそうなとき、SNSへ刺激的なコメントを書き込む前。
ほんの数秒、四つの問いを思い出すだけでも、言葉と行動は変わります。
大きな決断のときだけでなく、
こうした小さな場面で使えるところに、四つのテストのよさがあります。
毎日の選択を少しずつ整えることが、信頼される人や組織をつくっていきます。
ただし、相手の発言を毎回「第3項に反しています」などと指摘すると、
好意と友情より先に、場の空気が冷えるかもしれません。
四つのテストは、まず相手ではなく、自分自身に向けるものなのでしょう。
ロータリーで学んだ価値は、活動中に使うだけでなく、
日常に持ち帰って活かしてこそ意味を持ちます。
仕事で誠実に判断する。家庭で相手の事情に耳を傾ける。
異なる意見にも敬意を払い、よりよい方法を探す。
その一つひとつが、身近な奉仕なのだと思います。
もちろん、私自身も常に実践できてはおりません。
「先に四つのテストを思い出せばよかった」と反省することも多々あります。
それでも、思い出さないより、思い出したほうがよい。
できなかった自分を責めるより、次の機会に一つ実践してみる。伸びしろですね(笑)。
その小さな積み重ねが信頼を育み、好意と友情を深め、家庭や職場、社会を
少しずつよい方向へ動かしていくのではないでしょうか。
HYOGOロータリーEクラブ
2026-27年度 会長 渡邊 誠
幹事報告
第47回RYLAセミナー開催のお知らせ(事前案内)
国際ロータリー第2680地区 ガバナー 矢坂 誠徳/RYLA委員会委員長 小林 雅美より、2026年9月10日付でクラブ会長・幹事・青少年奉仕委員長宛にご案内が届きました。
Rotary Youth Leadership Awards/ロータリー青少年指導者養成プログラム
本年度も下記の通りRYLAセミナーを開催する運びとなりました。本セミナーは第47回を迎え、今年度も第2670地区との共催で実施いたします。
今期より会場は、神戸市しあわせの村『野外活動センター あおぞら』に変更し、開催させていただくこととなりました。
開催場所の関係で受講生の推薦を見送られていたクラブにおかれましては、本年度は2680地区神戸市での開催ですので、この機に青少年奉仕事業の一環として、ぜひ受講生をご推薦賜りますようお願い申し上げます。
本案内をもってクラブ内で募集を始めていただくとともに、今後の理事会にて受講生費用確保の審議をしていただけますようお願いいたします。(なお、予算が確保できない場合でも受講生の推薦のみも受け付けています)。
RYLAセミナーの詳細につきましては、11月頃に正式案内を送付させていただきます。
- 開催日時:2027年5月13日(木)午後2時(受付開始)〜5月16日(日)午後2時(解散予定)
- 開催場所:しあわせの村「野外活動センターあおぞら」
兵庫県神戸市北区しあわせの村1番1号 TEL 078-743-8000
○ 参加資格
- 国際ロータリー第2680地区(兵庫県)、第2670地区(四国4県)のロータリークラブから推薦を受けた満20歳以上(2027年5月13日現在)の成年
- 全期間受講することが必須です。なお、本セミナーの受講は2回までとします。
★会員の子女、事業所の社員、職員を積極的にご推薦ください。
○ 参加費用 ※金額は見込みです。
- 受講生:50,000円(推薦クラブまたはスポンサークラブの負担。但し、現地までの交通費は受講生負担とする。)
- 見学ロータリアン:登録料5,000円+一泊につき15,000円(日帰りの場合は10,000円)を加算
○ 申込方法
後日、正式なリーフレットとともに申込書を送付いたします。
申込期日:2027年2月中旬予定
RYLAとは
RYLAは1960年5月にオーストラリア・クイーンズランド州で発祥し、1971年に国際ロータリーによって正式に採用されたプログラムで、現在では、ロータリーのプログラムの中で最も顕著かつ急速に発展しているプログラムの一つとなっています。
リーダーシップを発揮したい、自分の可能性を広げたい、世界を変えたい…。そんな考えを実現するための第一歩となるのが、「ロータリー青少年指導者養成プログラム(RYLA)」です。地区が実施するこのプログラムで、若い人たちが新しい友人をつくり、楽しみながらリーダーシップのスキルを磨いています。
国際ロータリーの理事会は、以下を盛り込んだコアカリキュラム(中核となる科目)を推奨しています。
- コミュニケーションスキル、対立への対処法、倫理的かつ戦略的に問題に対処する能力など、リーダーシップの基本を学ぶ
- 自分自身に、またチームのメンバーとして変化を起こす能力を高める
- 行動を起こし、地元地域や世界の問題に取り組む方法を知る
- 地元地域におけるロータリーのインパクトとロータリーを通じて得られる機会を理解する
(国際ロータリー章典 41.050.5. より)
当地区のRYLAセミナープログラムは、5つの特色があります。
- 高いレベルの講義と討論
- キャビンタイム(親睦とその熟成)
- 自由と自律
- 豊かな自然環境
- カウンセラーシステム
恵まれた自然のなかで、テーマに基づく講義・キャビンタイム・思索の時間・バズセッション・フォーラムなどを通して、学び、語り合い、考えていただきたいと思います。
【募集スケジュール】
1 2026年11月 セミナー正式案内送付(紙にてクラブ会員数分を送付)
皆さまに配布していただけるよう準備をいたしますので、青少年奉仕委員長さまから再度ご案内いただきますようお願いいたします。
※受講予定者にもお渡ししていただいて結構です。
あわせて、スポンサーのみのお申込みも募らせていただきます。貴クラブにて受講生を推薦いただけない場合でも、スポンサークラブとして参加費をご負担いただける場合は、同送の申出書にてお知らせください。予算が確保できないクラブや、RYLA学友会からの推薦があった場合は、後日地区RYLA委員会より受け入れ要請のご連絡をいたします。
2 2027年2月 ★申し込み締め切り
11月の案内とともにお送りした申請書に必要事項を記入の上、地区事務所へご提出ください。
ロータリアンの見学申し込みにつきましても専用の用紙がありますので、そちらをご利用ください。
★女性カウンセラー募集★
RYLAセミナー中、受講生からの相談や悩みなどを聞いたり、温かく寄り添っていただける女性カウンセラーを募集しています。「若い世代の力になりたい」というお気持ちをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひクラブからご推薦くださいますようお願いいたします。ご推薦いただける方がおられましたら、地区事務所にご連絡ください。
お問合せ:国際ロータリー第2680地区 地区事務所 TEL:078-304-2680 FAX:078-304-2681 メール:[email protected]
受講生・見学・女性カウンセラーのご推薦はクラブで取りまとめのうえ行いますので、ご希望の方は幹事までご連絡ください。
地区補助金プロジェクト見学訪問のご案内(加古川中央ロータリークラブ)
国際ロータリー第2680地区 ガバナー 矢坂 誠徳/社会奉仕委員長 秦 紳一郎/社会奉仕副委員長 喜多 美雄より、2026年9月10日付でご案内が届きました。
このたび当地区にて、ロータリー財団「地区補助金」を活用した下記奉仕プロジェクトが実施されます。折角の価値ある事業を広く各クラブ会員の皆様にもご見学賜りたく、下記の通り、ご案内を申し上げます。各クラブに於ける奉仕プロジェクト立案の好機、並びに会員各位にとっての得難い研鑚機会として頂ければ幸甚に存じます。(プロジェクトの内容や当日運営の詳細については、下記実施クラブ照会先宛にお問い合せ下さい。)
- 実施クラブ:加古川中央ロータリークラブ
- プロジェクト名:伊藤真波氏の「あきらめない心」講演会
- プロジェクト概要:ハンディキャップの壁を越えて、素晴らしい活動を行っている伊藤真波氏の講演と義手で奏でるバイオリン演奏を通じて、青少年並びに一般市民の方に勇気と感動を与えるプロジェクト
- 実施日時:2027年2月20日(土)11時〜12時30分
- 当日スケジュール:10時15分開場、受付開始
- 実施場所:加古川プラザホテル
- 参加費:無料
- 人数制限:150名
- 見学に係る注意事項:なし
- メークアップの可否:あり
- 実施クラブ照会先:加古川中央RC 079-421-1512
- 事前登録先:加古川中央RC 079-421-1512
- 登録締切日:2027年1月22日(金)
当プロジェクトの見学訪問を希望される場合は、お手数ながら、各クラブから直接、実施クラブ事務局(上記登録先)宛に事前登録下さいますようお願い申し上げます。
委員会報告
社会奉仕委員会 会員インタビュー
社会奉仕委員会では、HYOGOロータリーEクラブ会員の皆様が、それぞれの本業や活動を通してどのように社会課題の解決に取り組んでいるかを紹介するインタビュー企画を始めました。
会員一人ひとりの実践を共有することで、互いに学び合い、応援し合い、必要に応じて協力し合うきっかけになればと願っています。
今回ご登場いただくのは、水井 裕様です。
ぜひご覧ください。
関連リンク
ハイライトよねやま 318号(ロータリー米山記念奨学会ニュース)
お世話になっております。ロータリー米山記念奨学会です。
今月の「ハイライトよねやま」ができあがりましたので、お送りします。ぜひご覧いただければ幸いです。
▼全文は、こちらよりご覧ください。
ハイライトよねやま 318号(PDF)
(公財)ロータリー米山記念奨学会ニュース
★ ハイライトよねやま 318号 ★ 2026年9月14日発行
今月のトピックス
- 台中文心RCが熊本地震の被災地へ100万円を寄付
- まもなく米山月間資料が届きます(9/24以降順次到着)
- 寄付金速報 — 10月の米山月間に向けて —
- 理事会を開催
- 在大阪モンゴル国総領事に就任
- 【お知らせ】第4回米山学友による世界大会「愛in台湾」開催
今月のピックアップ記事:台中文心RCが熊本地震の被災地へ100万円を寄付
米山学友を中心に設立された台中文心RC(第3461地区)が、熊本地震の発生を受け、被災者を支援するための募金活動を実施し、集まった支援金総額100万円を姉妹クラブである大阪うつぼRCを通じて第2720地区へ届けました。
今回の取り組みは、8月に開催された同クラブ理事会において何淑鈴さん(1984-85/東京城東RC)から提案されたものです。林岳毅会長(2000-01/札幌清田RC)をはじめ理事会のメンバーもすぐにこの提案に賛同し、募金活動を行うことを決定。8月11日から開始した募金活動では、初日だけで19人の会員が協力し、その後も多くの会員から温かい支援が寄せられました。8月25日の締め切りまでわずか2週間ほどという短期間でしたが、会員の理解と協力により、目標だった100万円の寄付が実現しました。集まった支援金は、被災地の状況やニーズを踏まえた支援計画のもと、被災地の復旧・復興に適切に活用される予定です。
林会長は、「これまで日本と台湾が互いに支え合ってきた精神を大切にし、今回もできる限りの支援をすることで、この温かい善意をつないでいきたいと思いました。今回の支援が被災地の復旧・復興に少しでも役立ち、現地で頑張っている皆さまの力になればと願っています」と語り、クラブ全体で助け合いの活動を実現できたことへの喜びと感謝を表しました。
その他の記事は、ぜひPDF版をご覧ください。
ハイライトよねやま 318号(PDF)
公益財団法人ロータリー米山記念奨学会
事務局GM 柚木 裕子/編集担当 長尾
Tel:03-3434-8681 Fax:03-3578-8281
問い合わせメール:[email protected]
ホームページ:https://www.rotary-yoneyama.or.jp/
卓 話
ハワイESD研修を通して考えたこと
― 海外研修を「探究」と「環境保全」につなげる ―
HYOGOロータリーEクラブ
福山 太一
皆さん、こんにちは。会員の福山太一です。本日は、私が勤務校で取り組んでいる海外研修と、今年8月に実施した「ハワイESD研修」についてお話しさせていただきます。
私は現在、学校で長期・短期の留学プログラムの企画・運営に携わっています。これまで海外研修というと、英語を学ぶ「語学研修」という側面が強かったのですが、もっと現地だからこそできる学びを取り入れられないかと考えるようになりました。
そのきっかけの一つが、2024年12月に参加した文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」の教員向けプログラムです。私はその中で、探究型の研修地としてハワイ・オアフ島での研修に参加しました。
その際、せっかくハワイまで来たのだからと、個人的にハワイ島にも足を延ばしました。そこで出会ったのが、ネイチャーガイドとして活動されている長谷川久美子さんです。
長谷川さんは、ハワイ固有の水鳥であるネネなどを守るため、ロコワカポンドという湿地の回復に取り組まれていました。ロコワカポンドでは、アフリカングラスなどの侵略的な外来植物が広がり、湖面を覆いつくすことで、ネネをはじめとするハワイ固有の水鳥たちの生息環境を奪っています。
そのため、長谷川さんたちは外来植物を一つ一つ除去し、湿地を本来の姿に戻すことで、固有の水鳥が生息できる環境を回復しようと活動されています。
私はこの活動を知り、「ぜひ生徒たちにも体験させたい」と考えました。さらに、その時に長谷川さんがヒロ・ロータリークラブの会員であることを知りました。お話を伺うと、なんと兵庫県の加古川のご出身だということも分かりました。
日本から遠く離れたハワイ島で、ハワイの自然を守る活動をされている方が、同じ兵庫県、それも加古川のご出身で、しかもロータリークラブの会員である。私はこの偶然に非常に親しみを感じました。
そして、「この方と何か一緒にできないだろうか」「この活動を生徒たちにも体験させたい」と思ったことが、今回の研修につながっていきました。それ以来、勤務校の夏期短期研修として実施できないか、情報収集を続け、現地の方々や関係機関と調整を重ねてきました。そして2026年8月、ようやく生徒向けの「ハワイESD研修」として実現することができました。
今回参加したのは、本校の中学2年から高校2年までの22名です。
今回の研修では、これまでのような語学研修だけではなく、ハワイの自然や文化を題材とした文理融合型の探究的な学びを目指しました。
事前研修では、ハワイの自然地理や植生について学びました。現地では、ロコワカポンドでの外来種除去ボランティア、ハワイ火山国立公園での火山・地質の観察、ヒロ高校との交流、ハワイ大学のキャンパスツアー、すばる山麓施設での天文学研修、そして星空観察などを行いました。
そして帰国後には、長谷川さんとオンラインでつなぎ、生徒たちが現地で感じた疑問をもとに事後研修を行いました。
今回、生徒たちの反応で特に印象的だったのが、「ハワイのイメージが変わった」ということです。
研修前のハワイといえば、「海」「ビーチ」「リゾート」「観光」というイメージを持っていた生徒が多くいました。しかし、実際に行ってみると、自然が豊かに見えるハワイにも、深刻な外来種の問題があることに気づきました。特に生徒たちが驚いていたのが、アメリカネムノキ(この木なんの木、気になる木で有名)やバニヤンツリーなど、私たちが「ハワイらしい植物」と感じていたものの中にも外来種があるということです。「ハワイは自然が豊かなのだから、そこにある植物も昔からあるものだと思っていた」という生徒もいました。
ロコワカポンドでは、実際に自分たちの手で外来植物を除去しました。そこで生徒たちは、単に「外来種という問題がある」と知識として学ぶのではなく、「自分たちが今取り除いている植物が、固有の水鳥の生息環境を奪っている」ということを、体験として理解することができました。
これは、教室の中だけでは得ることのできない学びだったと思います。
また、星空観察も生徒たちに強い印象を残しました。マウナケア周辺の暗い夜空に広がる星々を見て、天文学を身近に感じるとともに、「なぜここではこれほど星が見えるのか」「光害は自然環境にどのような影響を与えるのか」という新しい疑問も生まれました。私自身も、夜空を横切る人工衛星が流れ星のように見えたことが非常に印象に残っています。
今回の研修を通して、私はハワイという場所が、地理、地学、生物、天文学、環境、文化、教育、国際交流など、さまざまな分野を結びつけることのできる「生きた教材」になると感じました。そして何より、生徒たちが「なぜ外来種が増えたのか」「どうすれば自然を守れるのか」「なぜハワイでは星がきれいに見えるのか」と、自分自身の問いを持ったことが大きな成果でした。
今後は、この研修をさらに発展させたいと考えています。特に、ロコワカポンドでの環境保全活動には、継続して関わっていきたいと思っています。今回、長谷川さんから直接伺ったお話で、非常に印象に残っていることがあります。それは、ロコワカポンドを覆っているアフリカングラスをはじめとする外来植物を除去し、湿地を本来の姿に回復させていくために、2年間という目標を設定して活動されているということです。この話を聞いて、私は「この活動を一度きりの海外研修で終わらせてはいけない」と感じました。
そして、ここで改めてロータリーとのつながりを生かせないかと考えています。長谷川さんはヒロ・ロータリークラブの会員です。そこで今後、私たちの学校のインターアクトクラブとロータリークラブ、そして長谷川さんが活動されているĀina Hoʻōla Initiativeを何らかの形でつなぐことができないか、可能性を探ってみたいと考えています。例えば、生徒が現地で環境保全活動に参加するだけでなく、日本にいる生徒やロータリーの皆さんが活動を支援したり、オンラインで現地とつながったりすることも考えられます。さらに、ヒロ・ロータリークラブとの交流という形に発展させることができれば、学校、インターアクト、ロータリー、現地のロータリークラブ、そして環境保全団体がつながる国際的な活動に発展する可能性もあります。
海外に行くことだけが国際交流ではありません。遠く離れたハワイの自然環境を守る活動と、私たちの地域での環境保全活動をつなげることも、国際協力の一つになるのではないかと思います。
2024年12月、ハワイ島で偶然出会った一人のネイチャーガイドとのご縁が、今回、22名の生徒たちのハワイESD研修につながりました。そして、その方が加古川出身で、ヒロ・ロータリークラブの会員だったというご縁を、今度は学校とロータリーの新しい活動につなげることができればと思っています。
「英語を学ぶために海外へ行く」だけではなく、「現地でしかできない体験を通して問いを見つけ、その問いを日本に持ち帰り、さらに探究する」。そして、その学びを学校だけで完結させず、地域やロータリーの皆さんとも共有し、実際の社会貢献につなげていく。今回の経験を出発点として、インターアクト活動や海外研修をさらに発展させていきたいと考えています。
本日はありがとうございました。

巨大なバニヤンツリー、外来種

ロコワカポンドでボランティア、右下が長谷川さん。

美しい星空に生徒と感激

雄大なマウナケア。4000mを超える山頂に、国立天文台すばる望遠鏡やジェミニ望遠鏡があり、世界最先端の研究が進む。










