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HYOGO ロータリーEクラブは、24時間365日世界中どこからでもメークアップできます。HYOGO ロータリーEクラブ |  Rotary E-Club of Hyogo

MAKE UP

第286回例会

Rotary E-club of HYOGO

2020年9月14日開会

9月は基本的教育と識字率向上月間です

はじめの点鐘

はじめの点鐘

ロータリーソング

SAA: 今週のロータリーソングは、「四つのテスト」です。元気よく歌いましょう。

例会

会長の時間

皆さんこんにちは。
2020-21年度9月第2回例会、通算第286回例会です。

ようやく秋らしくなり、朝晩過ごしやすくなりましたね。

雨の日も多くなり、個人的には、野外でのスポーツの機会も増えてきたので、ピンポイントの天気予報を利用する機会も多くなっています。

そしてスポーツの秋にうれしいニュース。全米女子オープンテニス、大坂なおみさんV2達成しましたね。この優勝には、コロナ禍がプラスに作用したそうです。決勝の相手、アザレンカ選手の元コーチと、昨年末に新たな契約を結んだところで、選手の分析や対策を練る間もなく全豪オープン敗退、自粛期間に入り、ベルギーから遠隔コーチングしかできなかったのですが、自粛も解け、ツアーも延期されたため、10週間付きっきりで、専属トレーナーと共に、メンタル面、マネジメント面、フットワーク強化に取り組んだ成果が、発揮できたとのことです。本来なら、ツアー期間中にこんな集中トレーニングは出来なかったのが、コロナ禍を逆手に最も活かして、今後のツアー人生にも大きくプラスになったのが素晴らしいですね。

さて、130年前のほぼ今日、9/16にエルトゥールル号の遭難がありました。
1890年6月、オスマン帝国(現在のトルコ共和国含む地域)の軍艦エルトゥールル号が、使節団650名を乗せ、明治天皇に拝謁(はいえつ)するため、はるばる日本にやって来ました。しかしその帰路、横浜から神戸に向かう途中で台風に遭い、和歌山県沖で座礁し沈没してしまいました。乗組員の多くが犠牲になりましたが、和歌山県串本町の住民による不眠不休の懸命の救助、介護、捜索によって、約70名の乗員の命は助け出されました。そして日本政府は海軍の船を2隻出して、その方たちをトルコまで丁寧に送り届けました。
串本町では、エルトゥールル号の遭難以来、トルコ共和国との共催で5年毎に追悼式典を催し、現在に至っています。

それから約100年、1985年のイラン・イラク戦争の際、イラクのフセイン大統領が「今から48時間以内にイラン上空を飛行するすべての飛行機を撃ち落とす」と宣言しました。しかし日本からの救援機の派遣は、航行の安全が確保できないとの理由から見送られ、帰国するつもりでテヘランの空港にいた日本人は途方に暮れました。そんな時、救いの手を差し伸べてくれたのがトルコ共和国です。空港に取り残された日本人250人を、トルコ政府は自国の飛行機を2機イランに派遣し、自国民が500人もイラン国内に残されていたにも拘わらず、日本人を優先し、タイムリミット1時間前に無事に救出させてくれました。(トルコ国民は陸路で脱出)
なぜトルコの航空機が来てくれたのか、当時の日本政府もマスコミもわからずにいましたが、後に駐日トルコ大使のネジアティ・ウトカン氏が次ように語りました。
「エルトゥールル号の事故に際して、日本人がして下さった献身的な救助活動を、今もトルコの人たちは忘れていません。私も小学生のころ、歴史の教科書で学びました。トルコでは子供たちでさえ、エルトゥールル号の事を知っています。それでテヘランで困っている日本人を助けるため航空機が飛んだのです。」
寝食を忘れて、遭難者の救出に向かった串本町の人々の献身的な姿勢、100年以上前に受けた恩を返す姿勢は、まさしく奉仕の精神です。

奉仕の精神は、時代を経た今日も、両国の「永遠の友情」を築く礎(いしずえ)になっているのです。
クラブテーマ「もっと知って、もっと楽しもう」。今週もよろしくお願いします!

2020-21年度
HYOGOロータリーEクラブ
会長 児玉貴春

例会

幹事報告

2020-21年度ポリオ根絶チャリティーゴルフコンペのご案内

謹啓 残暑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
皆様も御存知の通り、8月21日、ナイジェリアでは野生型ポリオウイルスによる症例が最後に報告されてから3年が経過しました。これにより、来年には世界保健機関(WHO)アフリカ地域全土がポリオフリーとして宣言される可能性があります。しかし、ポリオ根絶の為の資金がまだまだ不足しております。
世界中の全ての子供たちへポリオワクチンを投与するため募金に協力いただきたく、「ポリオ根絶チャリティーゴルフコンペ」を下記の通りご案内申し上げます。ご多忙中とは存じますが、万事お繰り合わせの上、ご参加くださいますようお願い申し上げます。会場の小野ゴルフ倶楽部は、名匠 上田治氏が自然の地形を存分に活かし設計し、自然の静けさの中に豊かな風格を備えた全国的にも名コースとして高く評価されています。この素晴らしいコースで皆様の日頃の鍛錬の結果を存分に発揮してください。
お手数ですが、貴クラブの会員様へご周知いただき、取りまとめの上、地区Web管理システムからのご登録をお願いいたします。登録に際しましては、備考に、ハンデ、ケータイ番号、また、ゴルフコンペ当日にポリオポロシャツを購入される方は、同送のポロシャツ申込書をご覧の上、ポロシャツの色、サイズ、枚数をご入力ください。
尚、コロナの影響により、中止する場合は2週間前に各クラブ宛に連絡致します。
謹白

【日  時】 2020年11月2日(月)  スタート 午前8時
【場  所】 小野ゴルフ倶楽部
兵庫県小野市来住町1225番地
TEL:0794-63-1212 FAX:0794-63-1213
【申込組数】 先着30組(1組3~4名でお申込み下さい。)
組合せ、スタート時間は10月中頃に各クラブ宛に連絡いたします。
【競技方法】 前半9ホールズ ストロークプレー(ダブルペリア方式)
【プレー費】 16,650円(キャディーフィー・カート代込)
特別価格(メンバーは通常通り)
※プレー費、売店代金等は各自精算でお願いします。
【プレー時服装】 END POLIO NOWポロシャツの着用をお願いします。
帽子は自由ですが、END POLIO NOWピンク帽をお持ちの方はご着用下さい。
【  賞  】 優勝・準優勝・飛び賞・B.B賞・特別賞・ニアピン(前半ショート2ホール)
【登 録 料】 ①ポロシャツを既にお持ちで今回購入されない方:6,000円

②ポロシャツ購入ご希望の方:6,000円+ポロシャツ代(4,000円/枚)

《 内訳 》 チャリティー費   3,000円
参加費(軽食込み) 3,000円
ポリオポロシャツ  4,000円
①、②共に、登録料は9月中にガバナー事務所までクラブでまとめて振り込みをお願いします。
【振 込 先】 三井住友銀行 神戸営業部  普通9831696
国際ロータリー第2680地区 ポリオプラスチャリティー
【送金締切日】10月14日(木)

【登録方法】 クラブに参加者がいない場合:
「参加なし」にチェックを入れて送信ください
クラブに参加者がいる場合
「参加する」にチェックを入れて、地区Web管理システムからの登録を
お願いします。

登録にあたり、備考に下記情報を必ずご入力ください。
① ハンデ
② ケータイ番号: 当日緊急連絡用に必要です。
③ ポロシャツ: 別添のポロシャツ申込書をご覧の上、
購入しない場合:「購入なし」とご記入ください。
購入する場合: 色、サイズ、枚数をご記入ください。
《入力例》
ネイビーSS 1枚、白M 3枚
【登録締切】 9月30日(水)

今回はコロナ禍の中、競技終了後の懇親会は見合わす事となりましたが、個人的に飲酒される方は、車での来場をご遠慮頂き、乗合せにて参加いただきますよう宜しくお願いします。
以上

国際ロータリー第2680地区
ガバナー       髙瀬 英夫
ロータリー財団委員長 丸尾 研一
ポリオプラス小委員長 宮岡 督修

「ポリオ根絶チャリティーゴルフコンペのご案内」の訂正とお詫び

いつもお世話になっております。

先日送付いたしましたチャリティーコンペ案内の主題の挨拶文中に発信日としては、古い情報が入ってました。
訂正並びにお詫びを申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。
本来は、
「『アフリカ地域において、野生型ポリオウィルスは根絶された』
と世界保健機関(WHO)より認定されました。」
と、ご報告申し上げる所を原稿入稿日と発信日との間に乖離があり、
その間に前述のWHOの認定並びにRI会長の発表がありました。
本来、原稿を差し替えて発信しなければならない所を
私の発信直前の最終校正チェック漏れで、旧原稿の更新をせず、
折角の朗報を発信する機会を失してしまうだけでなく、
逆に皆様に誤解並びにお騒がせをしてしまい申し訳ありませんでした。

今一度、ホルガー・クナークRI会長並びにK.R.ラビンドランロータリー財団管理委員長のレター(下記メール)を掲載させて頂き皆様と共にこの偉大な功績の喜びを分かち合いたいと思います。
しかしながら、未だ根絶出来ていない常在2カ国のポリオ根絶に向け更なる募金のお願いとチャリティコンペへの1人でも多くの方々のご参加をお願い申し上げます。
また、チャリティコンペはお一人での参加も歓迎致しますので今一度、クラブの会員皆様へのお声掛けを宜しくお願い致します。

ポリオプラス小委員長 宮岡 督修

 

ロータリーの友9月号について

『ロータリーの友』地区代表委員の嶋田です。

9月号の抜粋記事を紹介させて頂きます。

今月は、特集が2つあります。
1つは「基本的教育と識字率向上月間」の特集です。
日本の場合、関係のない問題と思いがちですが、日本の若者の「読解力」は年々低下し、
現在は世界15位に沈んでいるようです。地区の読解力向上に取り組まれている活動を紹介しています。

もう1つは「ロータリーの友月間」の特集です。
P12.“『友』をプラットフォームに新しい交流を”
ということで、まずは投稿の方法が紹介されています。ぜひ投稿をお願いします。

P14.「ロータリーの友」の 公式Facebookページについてです。
開設されたばかりのため、この機会にアクセスしていただき、ご利用をお願い致します。

P20~23.侃侃諤諤のコーナーでも「ロータリーの友」の活用が紹介されています。

P43.「日本のロータリー100周年」記念切手の紹介があります。
デザインの説明もされていますので、ご利用のほどよろしくお願いします。

西脇ロータリークラブ
第2680地区ロータリーの友地区代表委員
嶋田 幸直

9月・10月地区会員維持増強委員会によるクラブでの卓話予定について

拝啓
9月9日付で、地区会員維持増強委員会によるクラブでの卓話のご案内を差し上げましたが、訂正があり、ご案内させて頂きます。
尼崎北RCでは、例会場において飛沫感染防止のために各個人用の透明ボードを設置しております。ボードの予備がありませんので、ビジターの受け入れは難しいとのことです。
すでに参加を予定しておられる方につきましては、ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。
つきましては、以下の2クラブでのご案内となりますので、差し替えの程よろしくお願いいたします。
敬具

1. 参加について  会場の都合、食事の手配などがありますので、事前にご連絡いただき
ますよう宜しくお願いいたします。

2. 例会の変更   コロナの影響により、例会日程等に変更が生じることがありますので、
あらかじめご了承ください。
3. 例会日時・会場・参加方法等

例会日時 クラブ 会場・(卓話担当委員名) 参加方法・ヴィジターフィー他
10/8(木)
12:30~ 淡路
三原 淡路信用金庫市支店
(天羽副委員長)
クラブに直接お申込み下さい
TEL:0799-42-3299
[email protected]
※当日急な参加でも受け付けできるとのことです。

10/21(水)
12:30~ 明石 西明石キャッスルプラザ(宇尾委員長) クラブに直接お申込み下さい
TEL:078-911-1122
[email protected]
【卓話依頼受付けています】
会員維持増強について当委員会への卓話希望があれば当地区事務所までお知らせください。
お待ちしております。

ガバナー 髙瀬 英夫
会員維持増強委員長 宇尾 好博

ロータリー財団セミナーのご案内

拝啓 秋涼の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素はロータリー財団活動に多大なるご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

早速ではございますが、標記セミナーを下記の通り開催いたします。Covid-19感染蔓延予防の観点から、当日の会場へご参加いただける人数を各クラブ1名までといたしますが、セミナー内容をリアルタイムで配信する予定です。お手数ですが、参加される方のお名前等を地区Web登録システムにてご登録くださいますようお願いいたします。

なお、セミナー内容の詳細やWEBセミナーの受信方法につきましては、後日再度ご案内申し上げます。
敬具


日   時: 2020年10月31日(土)13:30~16:30

場   所: 神戸ポートピアホテル本館地下1階 偕楽の間

会場出席者: ロータリー財団委員長、会長エレクト(会長)のうち各クラブ1名
リアルタイム配信の受講者については、制限はありません。
* 地区Web管理システムよりご登録の際、参加備考欄に
役職と、「会場出席」か「オンライン出席」かのどちらかを
ご入力ください。

セミナー内容: 「ためになる財団の話」
第1部 ロータリー財団について(予定)
第2部 ロータリー財団奨学生の体験談(予定)
第3部 グローバル補助金改正点の説明と
グローバル補助金(VTT)の紹介(予定)

登録締切日: 2020年10月16日(金)
以上

国際ロータリー第2680地区
ガバナー     髙瀬 英夫
ロータリー財団委員長 丸尾 研一

グローバル補助金申請要項改正と締切日のお知らせ

拝啓 時下益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。平素はロータリー活動に多大なるご協力を賜り、誠にありがとうございます。
グローバル補助金現金拠出へのWF(国際財団活動資金)からの上乗せが2020年7月1日に廃止され、WFは地区活動資金(DDF)への上乗せのみに使用されることとなりました。当地区の補助金小委員会におきまして、各クラブのご負担を少しでも軽減すべく、グローバル補助金の人道的プロジェクト、職業研修チーム(VTT)、奨学金の申請要項を同送の通り改正いたしました。
今後は、当地区DDFを利用したグローバル補助金の申請をする際はこれら申請要項に基づき、地区に申請していただきますようお願い申し上げます。
なお、グローバル補助金の申請には、従来通り財団申請画面のテンプレート書式、現地での地域社会調査、及び協力団体とのMOU(覚書)をご提出いただきますようお願い申し上げます。
多数の申請をお待ちしております。
敬具


1.同送申請要項(改正版)
① グローバル補助金(人道的プロジェクト)申請要項
② 職業研修チーム(VTT)の申請要項
③ グローバル補助金(奨学金)申請要項

*上記申請要項はすべて2680地区ホームページからダウンロードすることが可能です。
https://my.rotary.org/ja/take-action/apply-grants/global-grants
(ただし、③につきましては、10月初旬頃にホームページにUPいたします)

2. グローバル補助金申請のご相談・申請は、2020-21年度におきましては、随時お受けしています。

以上

国際ロータリー第2680地区
ガバナー     髙瀬 英夫
R財団委員長   丸尾 研一

例会

卓 話

インターネット上の私刑について

最近、有名人の不倫問題や素行問題などについて、インターネット上で批判・追及する書き込みが多数なされていわゆる炎上と言われる状態となることがあり、中には書き込まれた側が苦痛のために自殺するケースまで発生しています。また、インターネット上で犯人捜しなどが行われ、書かれた情報が誤っていたために、加害者と特定された人物が別人であった場合などにおいて、書き込まれた第三者が損害賠償請求する事案も発生しています。追及する側は、ある種の正義感に基づき書き込みを行うことが多いと思われますが、それにより追及された側が大きな苦痛を受け、経済的にも仕事を失うなど、多大な不利益を被ることもあるようです。

今回は、そういったインターネット上の私刑と呼ばれる現象について、法的な問題点につき、弁護士の立場から述べてみたいと思います。

まず、インターネット上にコメントを書き込んだり、ブログやSNSで個人の意見を発信することは、日本国憲法で認められた表現の自由の範疇となります。日本国憲法21条1項は、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」としており、表現の自由を保障しています。

しかし、表現の自由があるからといって、どのような内容を書き込んでもよいというものではありません。表現の自由は重要な基本的人権ですが、公共の福祉による制約を受けます。日本国憲法13条後段は、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」とし、基本的人権であっても公共の福祉による制約を受けることを定めています。公共の福祉が何かという点については、様々な解釈がありますが、ここでは人権が社会的なものであることからくる一定の限界であるという程度の理解でよいかと思います。

したがって、インターネット上の言論は、表現の自由の範疇であり、原則として自由に発信できますが、他者の社会的評価を傷つけるような内容を書き込んだ場合は、公共の福祉による制約として、刑事罰や民事上の損害賠償請求の対象となる可能性があります。

刑法230条1項は、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。」と定め、刑法230条の2、1項は「前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。」と定めています。つまり、他者の名誉を棄損した場合は処罰の対象となりますが、例外として、公共の利害に関する事実に関して、もっぱら公益のために書き込んだ場合で、内容が真実である場合は、処罰しないということです。最後の真実性の部分は、最高裁判所の判例によって、必ずしも真実でなかった場合であっても、摘示した事実を真実であると誤信したことについて、確実な資料、根拠に照らして相当の理由があると認められるときには、処罰しないこととされています。

ここで、問題になるのは、インターネット上で批判・追及する書き込みの内容が公共の利害に関する事実で公益目的かということです。政治・経済に関する批判や国会議員の行為に関する批判などは、公共の利害に関する事実で公益目的も認められやすいものと思います。しかし、芸能人などの有名人の私生活上の言動に関する批判などは、公共の利害に関する事実には当たらないケースも多いかと思います。

また、芸能人などの有名人はもともと人前に出るような仕事であり、私生活上の言動であっても世間の関心が高いものと思われることから、ある程度の批判や感想はやむを得ない部分があるかと思います。しかし、単なる批判を越えて、誹謗中傷の程度に至り、集団で袋叩きにするような状況になると、表現の自由で許される範囲を超えてくるものと考えられます。

さらに、芸能人ではない相手に対して、何らかの素行不良が原因で、住所・氏名・就業先などの個人情報を特定し、インターネット上に書き込むケースもあります。それを元に、就業先へ電話や手紙などが殺到し、退職に追い込むようなケースもあります。

こういったケースは、私人による刑罰権行使に等しく、インターネット上の私刑と呼ばれたりしています。しかし、本来刑罰権を行使するのは国家であり、いかなる行為に対して刑罰を科すか科さないか、どのような刑罰を科すかを定めるのも国家の役割です。

現代の国家においては、罪刑法定主義の原則、及び、刑罰法規適正の原則が適用されます。罪刑法定主義は、一定の行為を犯罪とし、これに刑罰を科すためには、あらかじめ法律で明確に規定しておかなければならないという原則をいいます。刑罰法規適正の原則は、刑罰法規はその形式・内容において適正でなければならないとする原則をいいます。日本国憲法31条は「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」として、これらの原則を定めています。

近代国家より以前は、宗教裁判などによって、時の権力者が恣意的に刑罰権を行使し、重すぎる刑罰や残虐な刑罰も行われていました。また、日本でも過去には敵討ちが認められていた時代がありました。しかし、時の権力者によって恣意的に刑罰権が行使されると、国民はいつどのような処罰を受けるか分からない中で生活することになり安心して生活できません。そのために、いかなる行為をすればどのような刑罰を受けるのかということを法で明記し、それにもかかわらず法規範に違反する行為を行った場合に、刑罰を受けることとされたのです。また、敵討ちのような個人による刑罰権行使を認めると、敵討ちの敵討ちが行われるなど、いつまでも禍根が残される可能性がありますし、必要以上に残虐な刑罰が行われる可能性もあります。したがって、現代国家では、犯罪と刑罰は法で明確に定め、どのような犯罪者であっても適正な裁判によって刑罰が決められ、国家によって刑罰権が行使されることとなっているのです。

ところが、私人による刑罰権行使、いわゆる私刑を認めると、その大原則が崩れることになります。実際、インターネット上の私刑においても、単に言動が乱暴だったという程度で、あらゆる誹謗中傷を受け、自殺に至った例があることなどを見ても、行った行為と受けた不利益が釣り合っていないことがあります。また、本来は双方の言い分を聞いて処罰を決めるべきであるのに、一方的な思い込みや偏った情報で多大な不利益を与え、しかもそれらの情報が誤っていたというケースもあります。そのような問題点から、インターネット上の私刑は法的には認められるものではなく、逆に、名誉棄損として刑事罰の対象となったり不法行為として民事での損害賠償請求の対象とされているのです。

インターネットやIT機器の進化により、これまで捉えきれなかった犯罪行為が動画でアップロードされ、犯人逮捕に至るケースもあり、インターネットの功罪の功の部分もあることは確かです。しかし、本来はそのようなケースも警察への情報提供により捜査を行い逮捕に至るべきであり、インターネット上で犯人を特定しようとする場合、第三者を犯人と誤認して多大な不利益を与えるケースもあります。

したがって、インターネット上の情報発信につきましては、正義感から来るものであっても、特に個人を特定する情報発信や、誹謗中傷につながるような情報発信については、慎重に考えていただく必要があるかと思います。

幾波 博之

例会

おわりの点鐘

例会

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