第479回例会
Rotary E-club of HYOGO
2024年12月2日開会
12月は疾病予防と治療月間です
はじめの点鐘
ロータリーソング
SAA: 今週のロータリーソングは、「君が代」と「我らの生業」です。元気よく歌いましょう。
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♪ 君が代Open or Close
君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
巌(いわお)となりて
苔(こけ)のむすまで -
♪ 我らの生業Open or Close
一、我等の生業さまざまなれど
集いて図る心は一つ
求むるところは平和親睦
力むるところは向上奉仕
おゝロータリアン 我等の集い
二、奉仕に集える我等は望む
正しき道に果をとるを
人の世挙りて光を浴みつ
力を協せて争忌むを
おゝロータリアン 我等の集い
会長の時間
皆さんこんにちは!12月になり、急に冬らしく冷え込んできましたが、体調を崩されていないでしょうか?さて、今月はロータリーの「疾病予防と治療月間」です。ロータリーがポリオの撲滅に力を入れているのはご存じであるかと思いますが、現在世界ではポリオ以上に多くの人々の命を奪い、三大感染症と言われるものがあります。
世界保健機関(WHO)が取り組んでいる三大感染症とは、HIV/エイズ、結核、マラリアを指しています。持続可能な開発目標(SDGs)の目標3にも「エイズ、結核、マラリアおよび顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症およびその他の感染症に対処する」というターゲットが明記されています。
これらの感染症は、伝播力が強く、対策の費用負担が大きいことから、一国だけでは解決できない規模の脅威となっています。特に開発途上国では、住民の健康を脅かすだけでなく、社会・経済開発の阻害要因にもなっています。そして、昨年度これらの病気で亡くなった方は、推計でHIVが約63万人、結核が125万人、マラリアが約60万もおられます。
三大感染症のうち結核については、昭和20年代まで日本人の死亡原因の第1位であった事実があります。当時日本において結核は大変死亡率が高く「不治の病」と呼ばれていましたが、第二次大戦後に特効薬である抗生物質(ストレプトマイシン)やBCGワクチンの普及などにより、死亡者ならびに死亡率は激減しました(厚生労働省によると、日本では現在でも毎年約10,000人が新たに結核を発症し、約1,500人が無くなっているということです)。
このように日本では、過去の病気であると思っていた結核ですが、世界でまだ125万もの方々が無くなっていることは驚きでもあります。しかし、日本の例をみれば、適切な対応をすれば救われる命が確実にあるということは明白です。その救われるべき命が救われていないという現実から、我々ロータリアンは目を背けてはいけないと私は考えます。
事実ロータリーは、ポリオ以外にもこれら三大感染症に加え、アルツハイマー、多発性硬化症、糖尿病といった病気の克服のために様々な取り組みをしています。私たちEクラブは大変小さなクラブですが、微力ながらも世界で一人でも多く方々の健康と命を守る一助となれればと心から願います。
幹事報告
南海トラフ巨大地震講演会開催のご案内
向寒の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
常日頃より、井原ロータリークラブの活動に格別のご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
井原ロータリークラブでは、地区補助金事業として、12月1日に講演会を予定しております。講演会の形式を取らせていただいておりますが、井原ロータリークラブにおいて検討を重ねた、「南海トラフ巨大地震」に対しての『対策発表会』です。
貴クラブの会員の皆様、さらに皆様のお知り合いの方々に、ご周知頂ければ幸いに存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。
末筆ではございますが、皆様の今後のご活躍を祈念し、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
井原ロータリークラブ
会長 佐藤 英雄
幹事 綾仁 一哉
財団委員長 勇木 健
卓 話
「疾病予防と治療月間」感染症について~COVID-19を中心に~
HYOGOロータリーEクラブ 堤 万佐子
みなさまこんにちは、理学療法士である私が卓話担当をするときはいつも肩や腰の痛みについての話題が多くなりがちです。12月は「疾病予防と治療月間」です。何を伝えたらいいかいつも悩んでしまいますが、タイムリーに考えていることを卓話にいたします。今回は感染症についてです。実はもうすぐ職場で感染症についてのテストがありますので復習がてら卓話にしてみました。お付き合いくださいませ。
私の勤務先は病院で毎日職員は目に見えない感染症との闘いです。感染症といえば秋口から冬、乾燥してくる時期に増えてきます。そもそも感染とは「病原体が宿主の組織に侵入・増殖すること」を示します。病原体とは細菌 ウイルス 真菌 寄生虫などです。
病原体が感染するには3つの要素の成立が必要であると言われています。①感染経路(病原体の通り道)②病原体(ウイルス、細菌など)③ヒト(宿主)です。私たち医療職は感染経路を遮断するために日々奮闘しています。医療職が病原体を持ち運ぶ可能性があるからです。これからの季節でしたらCOVID-19と季節性インフルエンザの感染経路遮断を徹底します。
最近テレビやマスメディアでCOVID-19を報道されなくなってきました。街にでてもマスク着用の方がずいぶん低減してきていると感じます。5類になり一見落ち着いているようにも感じますが、この季節になると一定の割合で入院されてきます。
感染症の感染経路には3つあると言われています。接触感染・飛沫感染・空気感染です。
接触感染とは器具・ヒト・環境から伝搬することです。接触感染の門戸は粘膜です。私たちは1時間に23回も顔を無意識にさわっているといわれており、その約半数が口や目に鼻だということです。病原体を触った手で自分の粘膜にこすりつけている感じでしょうか。
飛沫感染とはくしゃみや咳こみをして病原体を含んだ飛沫が飛び、飛沫がヒトや環境に付着して病原が感染することを言います。飛沫感染にはマスクの着用は有効です。マスクを着用せずに咳き込むと2m先まで飛沫が飛ぶと言われています。お互いにマスクを着用することで感染症から身を守ることができます。
次に空気感染のご説明に移ります。空気感染でよく知られているのは結核、麻疹(はしか)、水痘症(水疱瘡)です。あれ?飛沫感染も口から空気中に飛び出すんじゃないの?と、飛沫感染と空気感染を混乱してしまうかもしれません。飛沫感染する病原体を含んだ飛沫は5㎛以上で、床に落下する速度は30~80cm/秒です。一方空気感染の飛沫核は小さく落下速度は0.05~1.5cmで空気中にふわっと浮いているイメージでしょうか。
もちろん感染力が高いのは空気感染です。病院で空気感染の患者様、例えば結核疑いの場合は陰圧室のある個室対応隔離になります。COVID-19の感染力の強さをみると空気感染じゃないの?と思われる方もいるかもしれませんね。確かにCOVID-19が出始めの時は接触感染および飛沫感染と教えてもらった記憶があります。ところが最近の知見によると、COVID-19の感染経路は3つ、接触感染・飛沫感染・エアロゾル感染といわれています。エアロゾル5µm前後の中間体の大きさの液体粒子のことです。エアロゾルはすぐ床に落下せず、1~2時間程度漂った後に徐々に沈降するといわれています。空気感染と飛沫感染の間くらいのイメージでしょうかね。
3密、覚えていらっしゃいますか?COVID-19感染症拡大を防ぐために人々が避けるべき3つの行動のことです。密閉・密集・密接でしたね。エアロゾルが浮遊している空間が密になると感染する可能性が高くなることがおわかりいただけると思います。
さらにCOVID-19感染力が強いのは潜伏期間中にウイルスを排出するからです。季節性インフルエンザは感染してから発症までの潜伏期間は2日ほどで、発症日から発症後3日~7日ウイルスを排出します。季節性インフルエンザの場合は症状がでてからしっかり対応すれば他人にうつすことは少なくなります。一方COVID-19は感染して発症する2~3日前からウイルスを排出します。感染した自覚がない人でも、すでに他人にうつしてしまう可能性が強いのです。
感染を防止するための対応はどのようにすればいいかですが、医療者は煩雑な決まり事があり毎日対応も異なるのですが、共通することはしっかり手洗い(手指消毒)、粘膜保護(マスク、ゴーグルなど)をしてうつらない・うつさない努力をすることです。
いかがでしたでしょうか、感染症のシーズンはこれからです。みなさまもしっかり対応をお願いいたします。
私はこの卓話のおかげでアウトプット完璧です。職場の感染症テストは間違いなく100点です。最後まで呼んでいただきどうもありがとうございました。
おわりの点鐘
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