第389回例会
Rotary E-club of HYOGO
2022年12月19日開会
12月は疾病予防と治療月間です
はじめの点鐘
ロータリーソング
SAA: 今週のロータリーソングは、「奉仕の理想」です。元気よく歌いましょう。
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♪ 奉仕の理想Open or Close
奉仕の理想に集いし友よ 御国に捧げん我等の生業
望むは世界の久遠の平和 めぐる歯車いや輝きて
永久に栄えよ 我等のロータリー
会長の時間
先月の「徳島木のおもちゃ美術館」に続いて、11月27日に「福岡おもちゃ美術館」、12月18日に「木曽おもちゃ美術館」行って来ました
「福岡おもちゃ美術館」(https://art-play.or.jp/ftm/)は、博多区の巨大商業施設ららぽーと内で、入口には実物大のガンダムが展示され、同じ敷地内にキッザニアがあります
都会の中のおもちゃ美術館ですが、内装は福岡の地域材が使用され、おもちゃも全て安全で、温かみがあり、大人にとっては懐かしい木のおもちゃばかりです
「木曽おもちゃ美術館」(https://art-play.or.jp/area/kiso/)は、山深い御岳山麓にある旧黒川小学校の体育館を活用しています
内装は江戸時代の築城や、伊勢神宮の遷都にも使われた「木曽五木」が使われています
また、校舎の方は閉校当時のまま活用され、地域から集めた農機具が展示され、機織り機は実際に動かして機織り体験ができるようになっています
立地が全く違う2つのおもちゃ美術館ですが、地域の木材を活用し、子ども達が木に触れて遊ぶことができ、伝統を生かして伝える機能を持っています
そして何より親子だけでなく、祖父母も一緒に三世代で楽しめる場所です
今回、全国おもちゃ美術館のスタンプラリーの本を入手したので、また機会があれば全国のおもちゃ美術館をまわりたいと思います
幹事報告
地区補助金プロジェクト見学訪問のご案内
拝啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素はロータリー活動に格別のご尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたび当地区にて、ロータリー財団「地区補助金」を活用した下記奉仕プロジェクトが実施されます。折角の価値ある事業を広く各クラブ会員の皆様にもご見学賜りたく、下記の通り、ご案内を申し上げます。各クラブに於ける奉仕プロジェクト立案の好機、並びに会員各位にとっての得難い研鑚機会として頂ければ幸甚に存じます。(プロジェクトの内容や当日運営の詳細については、下記実施クラブ照会先宛にお問い合せ下さい。)
当プロジェクトの見学訪問を希望される場合は、お手数ながら、各クラブから直接、実施クラブ事務局(下記登録先)宛に事前登録下さいますようお願い申し上げます。
敬具
記
実施クラブ 篠山ロータリークラブ
プロジェクト名 地元高校の紹介PR動画の作成とキャリア形成支援事業
プロジェクト概要
(140文字以内) 市内の中学生が市内3高校への進学率も低迷状況にある。そこで市内中学生と保護者・関係者を対象に、市内3高校の特色・魅力のPR広報動画を作製援助し、併せて身近に情報共有できるよPR広報クリアファイルを11月30日に寄贈、12月20日に作成動画を講演会・オンライン配信にて行う。
実施日時 令和4年12月20日13:00~15:50
当日スケジュール 13:00~ 開場
13:20~13:25 開会
13:25~13:35 内容説明 篠山RC圓増会長挨拶
13:35~13:55 篠山鳳鳴高校紹介 PR動画上映
13:55~14:00 同校質疑応答
14:00~14:20 篠山産業高校紹介 PR動画上映
14:20~14:25 同校質疑応答
14:25~14:45 篠山東雲高校紹介 PR動画上映
14:45~14:50 同校質疑応答
14:50~15:10 休憩
15:10~15:50 講演「夢を叶えるために、丹波篠山に移住する」一般社団法人丹波篠山キャピタル 瀬戸大喜氏
15:50~ 閉会
実施場所 丹波篠山市立田園交響ホール
(丹波篠山市北新町41 ☏079-552-3600)
参加費 「無料」
人数制限 篠山ロータリー側関係者、見学者10名程度まで
見学に係る注意事項 ロータリー関係者の見学はOKですが、コロナ感染状況を勘案し、来場者への感染対策を徹底して行うとともに、当日会場への参加を中学生、関係高校生、学校関係者等に限定して実施します。ロータリー側も10名程度の席は準備がありますが、オンラインによる配信も行いますので各位個々のPCやスマートホン・タブレットからの視聴をお願いいたします。
オンライン配信アドレス
1アドレス
https://youtu.be/4XiqYslLG18
2 予備アドレス(1が配信できない場合のみ有効)
https://youtu.be/JFQGl5J8SdI
配信期間:令和4年12月20日(火)13:20~令和5年1月6日(金)まで
メークアップの可否 メークアップ可
実施クラブ照会先 連絡先:篠山RC 社会奉仕委員長 月森一延
電話携帯:090-3622-2742
メールアドレス:[email protected]
事前登録先 座席制限がございますので、事前連絡をお願いいたします。
卓 話
モンゴルで人びとの命を救う「佐賀方式」~モンゴルでの肝炎・肝がん対策支援
寄稿者:江口有一郎(佐賀ロータリークラブ会員)
肝がん死亡率ワースト1の返上を可能にした「佐賀方式」
肝がんは、肝臓にできるがんで、放っておくと命にかかわる病気ですが、早期発見と早期治療により予防が可能です。
私の住む佐賀県は、特に60歳以上の方でC型・B型肝炎ウイルスの感染によるウイルス性肝炎の罹患率が全国でも非常に高く、そのため肝がんによる死亡率で全国ワースト1位が長年続いていました。これを解決するため、2012年1月から県と佐賀大学が中心となってさまざまな手法による疾病啓発プロジェクトを行い、当時、佐賀大学医学部の肝疾患センター長だった私がプロジェクトの責任者となりました。
プロジェクト開始から約8年を要しましたが、県内での肝炎の治療者が段々と増え、同じ時期に治療の劇的な進歩もあり、佐賀県の肝がん死亡率はワースト1位を返上できました。医師を含む全職種の医療従事者や県内の肝炎・肝がん対策の関係者と、県民と自治体や医療機関の橋渡しとなる「肝炎医療コーディネーター」を主軸とした地域ぐるみの啓発と連携によって、検査や治療を受ける人が急増したのです。この手法は「佐賀方式」と呼ばれるようになり、日本のみならず世界でも注目されるようになりました。
モンゴルでも成果を上げた佐賀方式
佐賀大学の口腔外科の名誉教授で、佐賀ロータリークラブ会員である香月武先生は、これまで佐賀ロータリークラブの国際貢献のひとつとしてモンゴルでの口腔外科の医療技術指導に長年携わってこられ、モンゴルでは神の手をもつ外科医と称されています。香月先生から「モンゴルでも世界保健機関(WHO)や日本を含む国々が支援して肝がん対策を行っているにもかかわらず、死亡率世界ワースト1位が続いている」という話を聞いた私は、モンゴルで長年、肝がん対策を行ってきたムンクジャーガル医師(ウランバートル・ロータリークラブ会員)と幾度もインターネット会議を行いました。佐賀県で行っている肝がん対策システムについて説明したところ、「佐賀方式」独自の連携システムに大変関心を持っていただきました。
2017年にはモンゴルからムンクジャーガル医師や関係者の方々が、佐賀ロータリークラブ、医学部長、病院長を訪問。2018年にはモンゴル保健大臣から佐賀大学学長への協力要請があり、正式に佐賀ロータリークラブと佐賀大学肝疾患センターによるモンゴルの肝がん対策に向けた協力が始まりました。また、ウランバートル・ロータリークラブがロータリー財団グローバル補助金を活用してプロジェクトを提唱し、第2740地区も資金面で支援しています。
2017年に初めてモンゴルを訪問し、「肝炎医療コーディネーター」の養成に対する関心が高いことがわかりました。モンゴルでは医師を含む医療従事者が少なく、また国民の半分以上が遊牧民として離れ離れで生活しているため、健康を含む情報発信が十分に行き渡っていないのです。
早速、2018年11月に日本語が堪能なウランバートル・ロータリークラブのロータリアン、ブルガンさんがモンゴル人として初めて日本の肝炎医療コーディネーター研修を佐賀県で修了されました。さらに12月には私たちが現地に赴き、ウランバートルの隣にあるトゥブ県の約200名の医療従事者向けにモンゴルで初の肝炎医療コーディネーターの養成、および佐賀方式の連携による肝炎・肝がん対策の支援を行いました。
その後、世界はコロナ禍となり、訪問が途絶えていましたが、その間も現地では着々と佐賀方式の推進が継続され、モンゴルで新たに2県で肝炎医療コーディネーターの養成が行われました。これらのコーディネーターの活躍と地域の医療機関の連携構築により、多くの県民が肝炎ウイルス検査を受けてデータベースに登録し、治療からフォローアップまでを見届ける佐賀方式システムの成果が出ていました。
ロータリアンとなり、頭を丸坊主にして活動を継続
2020年、私は佐賀大学を辞し、実家の病院を継ぐことになりました。その際に、香月先生から「これからはロータリアンとして諸外国の肝炎・肝がん対策に頑張ってみないか」とお声をかけていただき、香月先生と同じ佐賀ロータリークラブに入会させていただきました。
ロータリアンとなって初めての訪問は、モンゴルで最も高い肝がん死亡率の県であるスフバートル県への医療支援が目的でした。同県でも2021年に肝炎医療コーディネーターの養成を皮切りに佐賀方式が導入され、約3,500名の新規の肝炎ウイルス検査を受け、数百名の感染者が新たに判明していました。
今回の活動支援地であるスフバートル県の四つの村は、それぞれの村が四国ほどの面積である一方、人口は1000人前後で、首都ウランバートルから約800キロメートル離れた中国国境に接しています。大草原を約15時間かけて走破しようやく到着できる、まさに辺境の地です。
食事は村々で唯一の医療センターで患者さんに提供される食事をご馳走になりながら、宿泊はモンゴル伝統のゲルと呼ばれる円形のフェルトでできたテントでの寝泊り。水道も風呂も電源もなく、トイレも医療センターで貸してもらえるだけの環境でしたので、渡航前には頭髪を丸坊主にして行きました。
私は腹部エコー検査と技術指導が役割でしたが、1日80名以上に検査を行い、驚く数の進行した肝臓病を発見し、モンゴル人医師らにもその後の治療などについて指導ができました。県庁での成果報告会ではスフバータル県知事から感謝状をいただきました。
2018年からのモンゴル訪問は計6回となり、徐々に佐賀方式による素晴らしい成果が出ています。肝炎対策はSDGsにも掲げられた世界共通の課題であり、モンゴルの肝炎対策に私たちの医療技術支援がお役に立てているのは、大変嬉しいことです。今後もモンゴル全土で、そして肝炎対策を抱える世界の国々でお役に立てることを期待しています。
おわりの点鐘
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