第256回例会
Rotary E-club of HYOGO
2020年1月27日開会
1月は職業奉仕月間です
はじめの点鐘
ロータリーソング
SAA: 今週のロータリーソングは、「四つのテスト」です。元気よく歌いましょう。
-
♪ 四つのテストOpen or Close
真実か どうか
みんなに 公平か
好意と友情を深めるか
みんなのためになるかどうか
会長の時間
HYOGOロータリーEクラブ会長の長澤友滋です。
いつもありがとうございます。第256回例会でございます。
例会のタイミングが合わず、少し前のお話になりますが、今年は1月13日が成人の日でした。各地で成人式で盛り上がったことと思います。『荒れた成人式』がニュースになりますが、最近はもうそういうことも減ったのでしょうか?『迷惑行為=ダサイ』という感覚であればいいですね。
今年の新成人の人口は122万人とのこと。これは去年2018年と比べると3万人の減少で昨年に続き10年連続で総人口に占める新成人の割合が1%を割り込むということです。
そんな成人の日ですが、私は今もこの成人の日を楽しみにしています。もう中年なのになぜか?それは成人の日に必ず掲載される新聞広告があるからです。ご存じでしょうか?
それはサントリーのウイスキーの広告で、作家の伊集院静さんが二十歳になった新成人へのメッセージを毎年贈っておられます。ちなみに4月1日には新社会人向けのメッセージが掲載されています。
伊集院静さんについては、元ジャイアンツの松井秀喜さんとの親交のお話を知ったことからエッセーが好きで良く読むようになりました。人として大事にすべきこと、悲しみや孤独との向き合い方など、大人としてのあるべき姿を示してくださり、今でもこの新聞広告を読むと、背筋が伸びる思いです。
今年は『ワクをハミ出せ』。とても勇気が出る言葉。
年を重ねるとつい前例に囚われえて、安パイに走りがちですが、心若くハミ出したいと思います。ちょうど2020-21年度・クナーク会長エレクトが「ロータリーは機会の扉を開く」というテーマを発表されましたね。まさに今いる場所から扉を開いてハミ出していきたいものです。
そんな中心配なニュースが。伊集院静さんが1月21日に倒れられて手術を受けられたとのこと。経過は良好とのことですが、回復されてまたペンで若者に(おじさんにも)勇気が出る言葉を贈ってくださることを陰ながら祈っております。
では、今週もよろしくお願いします。
幹事報告
「空地啓一儀を 偲ぶ会」 のご案内
2020-21年度 テーマ発表のお知らせ
卓 話
皆さまこんにちは
HYOGOロータリーEクラブの吉井久美子です。
職業区分はロータリー初の発明家。有限会社環境科学研究所の代表を務め水の殺菌や消臭・抗菌、そして燃料電池触媒開発などをしています。
さて、1月は職業奉仕月間です。
1月25日(土)13時半~16時半まで神戸芸術センターで行われた、武庫川RC竹田絜一先生の22回目の発達障害理解のための基礎と実践講座に行ってまいりました。
1月最後の卓話なので目線を変え、今の子供たちが職業人になるまでの子育てについて考える機会としたいと思います。
【プログラム】
国立大学大学院ドクターコースを修了した青年Kさんとの対談
〜自閉症スペクトラムと共に生きる〜
【第一部】
大阪教育大学名誉教授 大阪医科大学LDセンター顧問
竹田絜一氏
【第二部】
中高生のゲーム障害の診断と治療について
〜ゲーム依存から抜け出すには〜
大阪市立大学医学部付属病院神経精神科
片山素久氏
主催:国際ロータリークラブ第2680地区 社会奉仕委員会
主管:神戸西ロータリークラブ
協力:宝塚武庫川ロータリークラブ
第一部 国立大学大学院ドクターコースを修了した青年Kさんとの対談
~自閉症スペクトラムと共に生きる~
この卓話では第一部の~自閉症スペクトラムと共に生きる~というお題で対談された竹田先生が幼いころから診られてきた京都大学の工学部を卒業して国立大学大学院ドクターコースを終了された青年Kさん、そしてKさんのお母様のお話から学ばせていただいた高機能自閉症者の子供が就職するまでの子育て法と道のりについて。
そして第二部のお話、~中高生のゲーム障害の診断と治療について~からも、今、大変増えていっているゲーム障害とは何なのか?
また職業人になるまでの子育てのヒントや、保護者や学校・関係者の方の接し方について、気づきのあったことを書かせていただき卓話とさせていただきたいと思います。
まず高機能自閉症者のKさんが生まれ2歳8か月の時に「なんかおかしなぁ~」とお母さまが思い受診されたところ、自閉症と診断されたそうです。
できる事、できない事が凸凹にあったのですが、Kさんは上位1%に入るギフテッドのお子さんだったそうです。
いただいた資料を見ると、お母さまが本当に細かく記録をされています。
ミニカーで遊んでいるKさんが映ったビデオも再生されましたが、こだわりが強く思うようにならないと声を上げます。
しかし、観察と記録をされているお母さまは、右側のドアが開いていないから声を上げているのね!と理解をして接しておられました。
またコミュニケーションがとりずらい事もあり、ボールをキャッチボールすることを理解してすることが難しい時も、独自ルール―を作ると、できる事をお母さんは知っておられたので、1~10まで数えてボールを投げる動作をされます。
するとKさんは10まで数えたらお母さんのほうへボールを投げることができていました。
そこでわかったことは、何故できないのかではなく、どうすればできるのかを大人が寄り添い考えてあげることの大切さを学びました。
さてKさんは学校に通い思春期を迎え勉強も良くできたので、京都大学を卒業後、大学院でドクターの称号を得ましたが、なかなか就職をする事は大変だったそうです。
そこで話をするなどが苦手だったKさんは英語の論文などを読むことは大変得意でしたので、その能力を生かし、やっと就職が決まります。
しかし、また大変なことが・・・
それは車でしか通勤できない場所だったということです。
免許が取得できるのか、お母さんは大変心配をされたそうですが、なんとすんなり免許はとれたそうです。
しかし、今度はいざ運転となると縦列駐車は得意だが、普通の駐車場には入れれなかったりなどあったので、毎日通勤先までの道のりを特訓されたそうです。
白線の3㎝前で止まる。など横について具体的な指示をするとKさんができる事を知っていたお母さんがルールを教え、通勤ができるようになったということでした。
学力も大切ですが、社会的に使えるスキルを身に着けて、何ができるのかを生かしていくことが本当に大切であるということをお母様から学ばせていただきました。
そして、余暇を楽しんだり、ソーシャルスキルを幼いころから身に着けたり、そしてリラックスできる方法を見つけたり・・・そのようなことも一緒に見つけ考えていく親子関係ができると、子供が大きくなって自分が楽しめることを見つけていくことができるという事を教えていただきました。
障害がある無しにかかわらず、将来自分の人生を作り楽しんでいく子供たちにとって、寄り添い個性を理解して育てていく子育ては共通してこれからの社会を作っていく子育てに必要なことだと感じました。
第二部 中高生のゲーム障害の診断と治療について
〜ゲーム依存から抜け出すには〜
第二部のお話、~中高生のゲーム障害の診断と治療について~からを聞いて、まず驚いたのは、ただゲームばかりしているだけ、ではなくゲーム障害(依存)の区分としてはアルコール依存症や薬物依存症と同じである。ということでした。
【ネット依存の診断基準】
- インターネットに夢中になっている
- インターネットにより多くの時間を割かなければ満足できない
- インターネット使用を自制しようと思ったが困難であった
- インターネット使用を控えると気分が憂鬱になったり、機嫌が悪くなったり、いらいらする
- ついつい予定よりも長くインターネットに接続してしまう
- インターネットのために仕事や学校を休んだ、あるいは人間関係を失ってしまったことがある
- 家族や治療院、その他親しい人間に、どの程度インターネットに接続しているか嘘をついたことがある。
- 現実逃避あるいは落ち込んだ気分を盛り上げる目的でインターネットを使う
上記質問のうち5つ以上当てはまる、もしくは特に6~8番の質問に当てはまる方、子供は注意が必要とのことでした。
特に患者の方はオンラインゲームが多いそうで、問題は昔のゲームのように終わりがないことやアプリ内の課金があることだそうです。
お子さんが勝手に親御さんのクレジットカードの番号を入力して月に30万円ゲームに使っていた子もいるそうです。
今までは薬物依存やアルコール依存とは違うとされてきたそうですが、韓国での研究から長時間オンラインゲームをしている子供は脳内伝達物質のドーパミンの分泌が困難になっていると2016年に発表されていました。
ゲームに依存するこころのプロセスとして、現実逃避と脳の神経が変化しているのではないか・・・つまりゲームをしている間ドーパミンが出続けるのだそうです。
そしてゲームを取り上げると学校に行くのではなく、ずっと眠っているのだそうです。
そこには“現実逃避”が深くかかわっており、現実の世界ではなかなか思った(期待された)成果を出すことは大変だが、ゲームの世界では、時間とお金を使えばすぐに評価があがり認められる。といったことがあります。
よく自己肯定感の話が出てきますが、例えば母親が子供の事を父親に相談するが、俺は仕事をしているんだ!育児は母親の役割だ。などと言い、仕事が忙しい事を理由に帰ってこなくなったりするとします。すると子供はだんだん言いたいことを言えなくなってしまい、自分らしく生きることができないので、自己肯定感が低くなることも多いといわれています。
また母親の心に余裕がなくなると、褒めることをしなくなり強要したり、心理的に拘束を始めることも原因の一つだそうです。
そこで、この自己肯定感を上げればいいのですが、そうは簡単にいかないのです。
そのためには時間をかけできる事から(すぐに成果のでることから)始めるのがいいのだそうです。
具体的にはお手伝いをしてもらい、お小遣いをあげるなどです。
また父親が不在の家庭もあるので、その場合はおじいちゃんやおばあちゃんに手伝ってもらうなど工夫することも一つの方法です。
また学校は一つのツールでしかないので、通うことが怖い・通信など人と違う道に行くことが怖い時には、周囲の人が受け入れることが大切で、ゲームからバイトなど自己肯定感が上がり、必要とされ求められる場所から始めてみることが大切だとおしゃっていました。
ゲーム障害においても、親の役割は理解すること、寄り添うこと、そして受け入れる事から始まるということが大切だと感じました。
今回お話を聞かせていただいて、私も子育てをしている母親として子供が大きくなり就労するまでの間、親の役割は本当に大きいと感じました。
また一人で抱えず、相談して手伝ってもらうことがとても大切なことであると思います。
そして今後の課題は家庭・学校・地域・教員・医療・組織・カウンセラーの方など連携し子供たちを育てていくことが最も大切で今後の課題ではないかと感じました。
子供は国の宝です。みんなで育てていける社会になることを切に願いお話を終わりたいと思います。
大変長文になりましたがお読みいただきありがとうございました。
おわりの点鐘
この例会に共感された方は、「いいね」をお願い致します。